前立腺疾患

前立腺肥大症

前立腺肥大症と前立腺がん

前立腺肥大症と前立腺がん

前立腺はおもに精液を造る臓器で、膀胱の出口を取り囲むような形で存在しています。
したがって前立腺に異常を来すと、排尿や射精に異常を生じるようになります。

個人差はありますが、40歳を過ぎた頃から前立腺は徐々に大きさを増してきます。
通常の前立腺はクルミぐらいの大きさで、前立腺実質(内腺)とその外側にある前立腺被膜(外腺)の厚さは同じくらいですが、前立腺が大きくなる体質の人では、内腺だけが大きくなり(腺腫と言われる)外腺は引き延ばされて、ちょうどミカンの中身(内腺)と皮(外腺)のような形になります。これが前立腺肥大症です。

典型的なケースでは前立腺肥大症の症状は次のような3段階にわたって進行します。

第1期(膀胱刺激期)

(1)尿回数が増加(特に夜間に3回以上)
(2)尿が間に合わない感じ(尿意切迫)
(3)トイレにたどり着く前に尿が漏れてしまう(切迫性尿失禁)
(4)軽度の排尿困難
(5)トイレに行ってもすぐに尿がでない(遷延性排尿)
(6)尿をしている時間が長い(苒延性排尿)などがみられます。

第2期(残尿発生期)

(1)お腹に力を入れないと尿が出ない
(2)残尿(50~100ml)
(3)昼間の頻尿
(4)尿閉突然出現(お酒を飲んだあと、長時間座ったあと、極度に緊張したときに現れやすい)などがみられます。

第3期(慢性尿閉塞期)

(1)膀胱の収縮力が低下し、排尿したり、尿意を催すことが低下する
(2)尿がだらだらもれる(溢流性尿失禁)などがみられます。

第3期(慢性尿閉塞期)

いくら前立腺が大きくなっても尿道や膀胱などへの影響がなければ(形や硬さ、緊張度によって決まります)
排尿には問題がありませんので治療の必要のない人もいます。
しかし、前立腺が肥大して膀胱の出口が狭くても、膀胱が無理に圧力をかけて収縮すれば一見普通に排尿できるので異常に気がつかない場合もあります。
そのような場合では膀胱の筋肉が伸びてしまい、収縮力が低下し、風邪薬や頻尿改善剤を飲んだり、深酒をしたときに突然、尿が出なくなって運び込まれることもありますし、本人の自覚症状はほとんどないのに残尿でいっぱいになった尿が腎臓にまで逆流し、腎不全を起こしていることもあります。
もし、排尿に少しでも不安を感じたり、検診などで前立腺肥大症を指摘された場合は、一度は専門医へ受診することをお勧めします。

前立腺が肥大する原因は男性ホルモンが関係していることは確実ですが、はっきりとわかっていません。
恐らく、遺伝的体質や環境が大きな要因になっていると思われます。
実際、私が手術した患者さんのうち、かなり多くの方が、非常に立派なペニスをされていました。
ペニスが大きくなるような体質や環境的要因が前立腺肥大とも共通しているのであろうと、推測しています。
前立腺肥大症などで泌尿器科にかかることを恥ずかしがる方もいらっしゃいますが、前立腺が大きいということは立派なモノを持っていると、自慢するつもりで堂々と受診してきて頂ければ幸いです。

第3期(慢性尿閉塞期)2

前立腺肥大手術(短期入院手術)

前立腺肥大症の治療方法は、薬物療法などが基本ですが、薬物療法で良くならない場合や薬物療法を長く続けることに抵抗がある方は手術を考える必要があります。

当クリニックでは中葉肥大型の前立腺肥大症(前立腺の真ん中にコブのような腺腫ができて、膀胱の出口を塞いでいる状態)や薬物療法を行っても排尿障害が改善しない場合(自覚症状、残尿など)尿閉で尿が出なくなり、管で尿を出した経験がある方などに、手術を考えてもらっています。
当院での前立腺切除重量の平均は40g以上(平成23年以降は50g以上)と他施設と比べ大きく重症な患者様を対象に手術しています。

当クリニックの手術はHoLEP(経尿道的ホルミウムレーザー前立腺核出術)という方法でお腹を切ることなく、尿道から入れた内視鏡を使って前立腺の内腺を全てきれいに取り除くことができ、安全性も比較的高い方法です。

麻酔科専門医管理の下で麻酔を行います。
以前多くの病院で行われていたレーザーの手術と違い、レーザーで前立腺の組織を焼くのではなく、レーザーを使ってちょうどミカンの皮から中身を剥くように、前立腺の外腺から内腺をはがして、肥大した前立腺の腺腫を膀胱の中に落とします。
その後、腺腫を細かく砕いて外に出します。

手術後は尿道に管を入れ、袋の中に尿をためておきます。
原則的に1泊入院(連携先:新松戸中央病院)をお勧めしています。手術後1日で尿道の管は抜去します。

前立腺の大きさなどにより様々ですが、カテーテルを抜いてから1週間ほどは頻尿や、排尿時痛などがあり、抗生剤や、鎮痛剤を内服してもらいます。
くりぬいた前立腺の外腺の内側に尿道粘膜が再生するには3ヶ月ほどかかるため、約3ヶ月ほどは通院が必要です。

詳細はこちらのページもご覧ください。

前立腺肥大手術(短期入院手術)

HoLEPの方法

HoLEPの方法1

尿道粘膜をレーザーで切開し、前立腺の内腺と外腺の境界を見つけ、その間に内視鏡を入れます。

HoLEPの方法2

レーザーを使って外腺から内腺を膀胱に向かってはがして行きます。

HoLEPの方法3

左右、中葉(図では略していますが、普通内腺は中葉も合わせて2~3つに分かれています)の内腺を全て膀胱の中に摘出します。
HoLEPではきれいに外腺だけが残ることが特徴です。

HoLEPの方法4

レーザーから、専用の器械に入れ換え、膀胱内の前立腺内腺を吸引しながら細かく砕いて体外に排出します。

HoLEPの方法5

前立腺摘出部の安静を保つため、風船の付いた管(尿道バルーンカテーテル)を留置して終了です。
尿は管から自然に外に排出されます。

HoLEPのスケジュール

HoLEPのスケジュール 

手術(HoLEP)は、水曜日を除く平日のお昼の時間帯に行っております。

手術の日程が決まりましたら、ご家族を含め、手術の詳細な説明をさせて頂いております。
詳細はこちらをご確ください。

手術前

外来で血液検査、心電図、レントゲン、心エコー(心エコーのみ他クリニックへ依頼しています)などの術前検査を行います。

手術前日

下剤、安定剤を飲んでもらいます。前日の21時以降は食止めです。

手術当日

手術の3時間前から飲水を止めます
手術1時間前に来院してもらいます。
麻酔:当院の麻酔科専門医が行います。

手術開始

麻酔でお休みいただいている間に手術を行います。
前立腺の腺腫核出(膀胱内への前立腺の摘出)は30分から1時間で終了膀胱内の腺腫を砕切、排出するのに5分から1時間かかります。
手術当日は、連携先の新松戸中央病院へ入院となります。
新松戸中央病院のスタッフが車で迎えに来て、患者様はストレッチャーで病室まで搬送されます。
入院後は食事洗面以外は安静となります。排便もできる限り力まないようにしてもらいます。

手術翌日

退院後すぐに当院に来院してもらいます。排尿状態を確認し、採血・点滴を行います。
手術翌日に状態を確認し、問題なければカテーテルを抜きます。
手術1週間後と、その後は2週間毎に来院してもらい、症状に応じて治療します。
摘出した前立腺の内側に尿道粘膜が再生するには3ヶ月ほどかかるため、約3ヶ月ほどは通院が必要です。
前立腺の大きさなどにより、様々ですが、カテーテルを抜いてから1週間ほどは頻尿や、排尿時痛などがあり、抗生剤や、鎮痛剤を内服してもらいます。
その後、6ヶ月-12ヶ月ごとに定期健診をします。
日帰りHoLEPの料金は1割負担で2万5千円~3万5千円、3割負担で7万円~9万5千円くらいが目安です。

HoLEPの長所

HoLEPは、これまで多くの病院で行われてきたTURP(経尿道的前立腺切除術)と比べ、以下のような長所があります。
従来のTURPは電気メスで前立腺をカンナのように削っていくため、外腺だけを残して内腺を完全に取り除けるようになるにはかなりの熟練が必要とされてきました。
したがって、術者によってかなりの差が出てしまい、内腺を多く残せば早期に再発してきますし、誤って外腺をけずり穿孔してしまうことも稀ではありません。

それに対し、HoLEPは、手術が正常に最後まで行われれば、確実に前立腺の内腺は取り除かれ、外腺だけが残されています。
前立腺は外腺だけが残ると、手術直後に外腺もそこにある血管も収縮してきて出血も止まります。
そのため、手術後の疼痛と出血が少なく、日帰りが可能となります。(現在は原則1泊入院で行っています。)

反対に、内腺をでこぼこに残すと出血している場所がわからず、前立腺の外腺が収縮することもなく血が止まらないため、尿道カテーテルの先のバルーンをふくらませて引っ張らなければならず、一晩以上の安静と、強い鎮痛剤の使用が必要になります。
(HoLEPでも順調に手術が終了しないと、同様に安静が必要です。)
また、内腺と外腺の間には血管が多くはなく、TURPと比べて手術中の出血量は少なくて済みます。
さらに、手術中視野を確保するために尿道や膀胱を洗い流している還流液も、TURPでは電気メスを使うために特殊な還流液が必要ですが、HoLEPでは体に吸収されても安全な生理食塩水を使用します。

HoLEPを取り入れた経緯

このように手術の安全性・根治性(より完全に治り、再発率も低い)を考え、眞鍋理事長は平成16年より長年研鑽したTURPからHoLEPに手術方法を変更し、茨城西南医療センター病院をはじめとする病院で100例以上を経験し、安全に日帰り手術ができる技術を身につけてから開業に至りました。

しかし、HoLEPも必ずしも長所ばかりではなく、熟練した術者が行わなければ合併症の発生頻度も高くなります。
次に、主な合併症を当院での発生頻度とともに示します。

 


出血:少ないとは言っても、前立腺の形、大きさ、血流は人により、様々です。
前立腺が大きい方や、貧血のある方は輸血が必要になることもあります(当院では術中術後に輸血した方はこれまでのところではいらっしゃいません。おそらく輸血確率は1%以下と思われます)。
また、翌日までに再出血して、再度内視鏡を入れ直し、再止血(1例)したり、カテーテル再留置して再入院(2例)が必要になることもあります。

後出血:術後2-5週間後、便秘や強めの運動(ゴルフやトレーニングジムでの運動)で多量に出血することがあります。この際は、尿道カテーテルを再留置します。
当院でも約1-1.5%くらいで発生し、動くと出血する場合は近隣病院(新松戸中央病院・松戸市立総合医療センターなど)への入院(3-7日間)をお願いしています。
再度止血手術した方も2名いました。まだ輸血した方はいませんが、一般的には輸血も報告されています。

膀胱穿孔:膀胱の中に剥離され、落とされた前立腺を吸引し、細かく砕いて排出するときに、誤って膀胱の粘膜を吸引すると膀胱に穴が空いてしまいます。
TURPではこのような心配はなく、HoLEP特有の合併症(一般的頻度は3-5%と報告されています)です。
大きな穿孔では他の病院に転院して縫合手術を受けなければなりませんし、小さな穿孔でも尿道カテーテルの留置期間が長くなります。
当院では穿孔のリスクを低下させるため、膀胱内の切除組織を砕く際、内視鏡画面とともに、腹部エコーでも観察確認をしながら、行っています。
これまでのところ私自身では経験したことがありませんが、浅い膀胱粘膜損傷は2例あり(1週間尿道カテーテルを留置しました)、いつも神経をとがらせています。

逆行性射精:精液の出口は前立腺の途中にあり、通常の射精の時は前立腺の膀胱側にある内尿道括約筋が収縮します。
しかし、手術により、内尿道括約筋は前立腺と一緒に摘出されるため、70~80%の方では精液が前に飛ばなくなると言われています(あとで尿と一緒に出ます)。
HoLEPは勃起機能には悪影響を与えませんが、射精障害があるとセックスでの快感が損なわれ、セックスへの関心が薄れると報告されています。
もし、性生活が盛んな方は、HoLEP以外の治療方法(薬、自己導尿など)をお勧めします。

尿道狭窄:内視鏡手術全てに共通する合併症ですが、元々尿道が狭い外尿道口(ペニスの先の尿の出口)や括約筋付近では内視鏡の操作で尿道粘膜がこすれ、傷が治るときに狭くなってしまうことがあります。
手術後、1、2ヶ月してから尿の出方が悪化した場合は尿道狭窄の可能性があります。これは、大半が外来の処置で治ります(発生頻度は5%前後と報告されています)

膀胱頸部硬化症:前立腺摘出後の外腺は3カ月で尿道粘膜で覆われ、膀胱の出口は柔らかく広がるのが普通なのですが、体質的に前立腺外腺が線維化して硬くなり、膀胱の出口が術後3-12カ月してからかえって狭くなり、尿が出なくなることがあります。
その際は、外来でバルーン拡張を行い(発生率約2%)、それでも再発する場合は、硬くなった膀胱の出口を内視鏡的手術で切開する必要があります(発生率0.5%)。
比較的前立腺が小さい方で手術した際に起こることが多く、体質的な問題が大きく、再発しやすいのが問題です。

前立腺部尿道結石:前立腺を摘出した跡のかさぶたが石灰化し、結石ができ、排尿困難となることがあります。
その場合、レーザーで結石をはがして摘出します。発生頻度は1-1.5%ほどです。(腎臓や膀胱に結石がある方で起きやすいです)


尿失禁:HoLEPでは括約筋側から、膀胱に向かって腺腫を剥離するため、TURPと比べて、大きな括約筋の損傷は起こりにくく、理論上はひどい尿もれは少ないと考えられます。
しかし、術者が慣れていないと、内視鏡の操作可動域が大きく、括約筋に負担をかけてしまい、腺腫を完全に取り除いてしまうと、手術後3ヶ月で治まる程度の軽度の腹圧性尿失禁(立った拍子やあぐらをかいたり、笑ったときに尿が漏れる)の発生率は高いと報告されています。



私は開業以来、失禁予防に最大の注意を払い、術式の改善にも取り組み、術直後の尿失禁の頻度はTURPと比べてもかなり低くなっています。
しかし、どれだけ気をつけて手術を行っても、内腺と外腺の癒着のひどい方や、外腺にがんが隠れている場合は、軽度の尿失禁がしばらく続く方もいらっしゃいます。術後3ヶ月での軽度の失禁が続く方は2%、術後半年でも1%程度でわずかな失禁が残る方がいます。

当クリニックでの手術は根治性・安全性とも十分な自信を持ち、麻酔科医とともに安全性の確保には十分配慮していますが、以上のような合併症がある一定の割合で発生することや、排尿障害の原因がすべて前立腺肥大症によるわけではないことから、全ての患者様が満足するわけではないこと(3ヶ月後も約5%程度で通院継続が必要)、そして手術、麻酔に伴うストレスや抗凝固剤を一時中止することから、心臓や脳血管疾患の発生のリスクが高まることを十分に認識し、ご理解頂いた上で、手術を受けて頂くようお願い致します。

当クリニックでのHoLEPは前立腺の腺腫をより完全に、合併症の頻度を少なく摘出する技術に関しては、他施設や他の前立腺肥大症手術よりも常に高いレベルを保ち続けるよう日々研鑽しておりますが、当クリニックは入院設備がなく、心、脳血管系の合併症が発生したときに他院搬送までのタイムラグがあります。
元々、他の疾患をお持ちの方はその点を考慮して当クリニックでの手術が適切か否か、ご相談したいと思います。

また、HoLEPをはじめとする前立腺肥大症の手術は前立腺の内腺を摘出する手術であり外腺は残るため、低い確率ですが10年後に前立腺肥大症が再発したり、がんが発生することもあり、手術の傷が治っても定期的な前立腺のチェックは必要です。
摘出された前立腺組織は病理組織検査を行いますが、万が一、がんが見つかった場合、がんが残っているか検査し、さらにがんの治療が必要になることもあります。(当院で手術した方の前立腺摘出標本の病理組織検査で約4―5%で前立腺がんが見つかり、そのうち20%で、HoLEP後にがんの治療を必要としました。反対に考えるとHoLEPで偶然がんが見つかった方のうち、約80%は前立腺がんが取り切れていたという事になります。)
その際、小線源療法などの一部のがん治療は適応外になりますので、術前に前立腺がんがないかどうかしっかり調べてから手術を行うようにしています。
(術前採血でPSAが高い方ではまず、前立腺生検を行ってからの手術をお勧めしています。)

クリニックでのHoLEPと病院でのHoLEPの違い

HoLEPをクリニックで行っている施設は未だ少数です。特に当院のように前立腺切除重量に制限を設けず、大きな前立腺も手術している施設は未だほとんどありません。

開院当初はすべての患者様が日帰りできることが患者様の満足につながると考えてきましたが、日帰りであることをメリットと考えて来院される患者様と、逆に入院した方が安心できるという患者様がいることに気がつかされました。
それぞれの患者様ごとに病態も、社会的状況なども異なっており、どちらが適切であるかは、人それぞれでした。
長年の試行錯誤の結果、原則として、当院では手術後、新松戸中央総合病院に1泊入院していただくことにしました。
したがって、最近では当院で手術してから新松戸中央総合病院に1-2日間入院してもらうことも多くなってきました。

但し、当院ではすべての患者様に日帰りが可能な状態で、新松戸中央総合病院に入院していただける状態を目指して手術を行う姿勢は変えずに行っています。
日帰りができる状態を目指すとはどういうことか、開業後の経験も踏まえて当院の手術の特徴を説明します。

日帰りができる状態であることのメリットとはなんでしょうか。
一般に短期入院手術で言われているのは医療費が安くなることや仕事の休養期間が短くなるということですが、本質的なメリットはそこではないと考えています。

日帰りができる状態にするためには手術中、術後の出血量が十分に少なくなければなりません。
HoLEPでも、炎症などで外腺と内腺が癒着していると外腺に穴が空いてしまって手術の続行が困難になる可能性がありますし、反対に内腺の摘出が不十分だと、手術後の止血が困難となり、たとえ術直後は止血できても、歩いた途端に再出血してしまいます。
入院していればそれでも問題ありませんが、当日の歩行帰宅は困難となります。
したがって、HoLEPを日帰りができる状態で行うには「外腺を穿孔することなく、安全確実に内腺を取りきる」パーフェクトな手術の施行が絶対条件となります。
完全な手術が施行されるには、手術中の出血が少なく、十分に見やすい視野が確保され、外腺を余分に取り除くことがないようでなければなりません。
そのような手術が遂行されれば、術後の尿失禁や再出血などの合併症も十分に少なくなる(0ではありません)はずです。

すなわち、「入院設備がある病院での手術よりもさらに高い次元の安全性と切除の完璧さが求められ、その結果が、患者様により良好な術後経過をもたらす」そのことこそが本質的なメリットであると考えています。

当院では常に高いクオリティーを維持できるよう麻酔科専門医と共に万全を尽くしておりますが、術後のアンケートでも100%の患者様が満足できているわけではありません。
また、術中術後の合併症も先に示した通り年々少なくなっていますが、絶対に0になることはありません。
また、手術は前立腺だけの問題ではなく、麻酔中の心臓、呼吸器、脳血管などの全身状態にも注意を払わなければなりません。

術後の排尿状態の改善には、創部が治るまで3カ月余りの患者様自身の自制(水分を良く摂ること、激しい運動はしない、自転車に乗らないなど)も重要です。

したがって、最低3ヶ月間は約2週間毎に通院(遠方の場合は遠隔診療も併用します)して指示を守っていただける方に、当院での手術をお勧めしています。
常に最善のレベルの手術を提供できるよう日々研鑽し、確率的には最良の結果がもたらされていると自負しておりますが、すべての医療行為は100%うまくいくということはありえません。
前立腺肥大症の手術を受ける患者様には術後の節制が可能であるかもご考慮いただき、当院での手術を受けていただきたいと思います。 

HoLEPは術者の技量により、差の出やすい手術です。
手術の技術、麻酔も含めた安全性を高い水準で保つため、当院ではHoLEPは眞鍋1人が行ない、麻酔科専門医も浜井医師、幸田医師の2人だけが担当しております。

特に、安全性を厳密に追求した結果、現在では、心臓の血管にステントの入っている方や、ペースメーカーの入っている方、血液サラサラの薬剤を中断できない方は、循環器科医が常駐し、入院施設のある医療施設を紹介しています。

前立腺が大きいと言われている方や、内服治療の効果が不十分に感じられる方は、心疾患などが発症しないうちに前立腺肥大症の手術を検討されると良いと思います。